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彼女がドーナツを守る理由 22

2022/11/28  

 いとこの工房からの帰り道、電球を買うというモカに付いて電気店に寄った。白々と明るい光で満たされた店内の雰囲気は、とても馴染みのあるもので、どこかほっとした。電気店というのはどこでも似た雰囲気になるら ...

読書感想 アリス殺し 小林泰三

2022/11/12  

リンク 『不思議の国のアリス』をモチーフにしたミステリーです。物語中では『夢の世界』と『現実世界』の二つの世界が描かれているのですが、『夢の世界』のほうはルイス・キャロルのアリスの世界がそのまま舞台に ...

読書感想 私の頭が正常であったなら 山白朝子

2022/11/10  

リンク 八編の短編から成る短編集です。 突然幽霊が見えるようになった夫婦(『世界で一番、みじかい小説』)、首から上がない鶏を可愛がる少女(『首なし鶏、夜をゆく』)、酔っぱらうと時間を行き来する女性(『 ...

鮮血ジュースはヘルシーですか~吸血鬼さちこの何でもない日常~

2022/12/11  

 昨日テレビで言っていた。健康の秘訣は早寝早起きである、と。  毎週欠かさず観ているバラエティー番組だった。その番組では、毎週あらゆる分野の専門家をゲストに招き、役に立ったり立たなかったり、ありがたか ...

彼女がドーナツを守る理由 21

2022/11/13  

 素朴なログハウス風のその建物のすぐ後ろには、黒々とした山がそびえていた。モカのいとこの工房──モカのいとこの父親の友人の工房だ。正確には──は街外れの山の麓にあった。モカが僕に紹介してくれる人物とい ...

感想 怨霊奥様 若狭たけし

2022/12/11  

リンク 漫画って(漫画に限らず映画でも小説でも)、ジャンルというか設定やパターンはもう出尽くしていて、新しい漫画が出ても、きっとどこかのジャンルに当てはまるのではないでしょうか。 この漫画は、新婚夫婦 ...

掌編小説 私は、積み上げる

2022/12/11  

 私は積み上げる。 私は箱を、積み上げる。 大きな箱。 小さな箱。 紙でできたのや、プラスチックのもの、薄い木でできたもの。 固いの、脆いの。 色や形も様々。 ひとつひとつ、持ち上げては、前に置いたも ...

積読が減らない理由

2022/10/18  

積読(つんどく)。 おそらく読書好きの間でしか通じない言葉。 意味は、『本を買って、読まずに積んだままにしていること』です。「積んどく」に掛けた表現なのだそう。 本好きの人のお宅にはきっとあるのではな ...

掌編小説 落とし物

2022/12/11  

「落としましたよ」 と後ろから声を掛けられた。「あ、どうも……」 と言いながら振り返る。今にも雨が降りそうな、湿った夜闇。そこに立っていたのは、頭から黒い頭巾をすっぽりと被った男だった。小柄で浅黒く、 ...

彼女がドーナツを守る理由 20

2022/10/30  

『彼女は荒涼とした大地に立っている。頭上に広がるのは無数の小さな光る宝石を散らした無限の暗闇。ひときわ明るく輝く赤い宝石が暗い大地にほの明るい光を落とし、彼女が両手に握り締めている二丁のレーザー銃の銀 ...