辻村深月さんの『闇祓』を読みました。
表紙とタイトルを見た印象は、このイラストの男性が悪魔祓い的なことをするのかなーって感じでした。エクソシストみたいな。
さて、『やみはら』とは何なのでしょう。
一番初めにこう記されています。
『闇ハラ』
闇ハラスメントの略
『闇ハラスメント』
精神・心が闇の状態にあることから生じる、自分の事情や思いなどを一方的に相手に押しつけ、不快にさせる言動・行為。本人が意図する、しないにかかわらず、相手が不快に思い、自身の尊厳を傷つけられたり脅威を感じた場合はこれにあたる。やみハラスメント。闇ハラ。ヤミハラ。
『闇ハラスメント』はググっても出てきません。造語のようですね。まあ、そうでしょうね。笑
では、あらすじです。作品の内容に触れる部分がありますので、まだお読みでない方はご注意ください!
〈あらすじ〉
高校生、原野澪のクラスに転校生、白石要がやってきます。初めて目が合った瞬間から、澪は白石の眼差しに奇妙な感じを覚えます。それ以来、澪はいつでも白石に「見られている」と感じるように。友達に相談するも、「澪はモテるからなあ」とからかわれ、深刻にはとらえられません。そしてクラスの委員長である澪は、担任から転校生の学校案内を頼まれ、引き受けます。仲の良い友達は用事があると帰ってしまい、けれど澪は、まあいいか、と白石と二人きりで学校案内をしてしまいます。ずっと無口で無表情な白石でしたが、突然澪に、「今日、家に行ってもいい?」と言い、ニイっと笑ったのでした。唇の間から鋭く尖ったギザギザの歯をのぞかせ、とても凶悪に見える笑顔で。
澪はその場から走って逃げ、たまたま部室にいた陸上部の先輩、神原一太に助けを求めます。この先輩、実は澪が密かに想いを寄せている人で……。
いきなりストーカーになってしまった転校生から、憧れの先輩はどうやって澪を守るのか、と思いきや、話は意外な方向へ向かい、「人ってコワい」と思う展開に。
第二章では場面も登場人物もガラリと変わり、全然別のお話が始まります。アレ? と思う間に「人ってコワい」な嫌な感じの話(誉め言葉です)が続き、第三章でまた別のお話へ。
第三章の終わりから、第一章とのつながりがちらほらと見え始め、後半でまた白石要くんが登場。実は全てのお話はつながっていたのだと気付かされます。
辻村深月さん初の本格ホラーミステリ長編ということで、ホラーな要素も大きいのですが、読んで思ったことは、「人じゃないものも怖いけど、人もやっぱり怖い」でした。416ページとだいぶ長い作品ですが、ページを繰る手が止まらずあっという間に読んでしまいました。
とてもおもしろかったです!
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