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彼女がドーナツを守る理由 45

2026/9/22  

「ところで、星の重力を生み出しているのは地面の質量だ。我々が地面に張り付くように街を形成できるのは、それを引っ張るのに十分な重力を生み出せるだけの質量が足下にあるからだ。分かるな?」「はい」「では、『 ...

彼女がドーナツを守る理由 44

2026/9/22  

「えっ」 と僕が言うのと同時に、エレベーターはすごい勢いで下降し始めた。下降というより、もはや落下だった。そして本当に途中でくるっと一回転し、今度は上昇し始めた。元の場所に戻っているような感覚だったが ...

彼女がドーナツを守る理由 43

2026/3/22  

「DBS……」 僕とリリィの声が揃った。次の瞬間リリィは爆発したように笑い出した。「DBSだって! やだもう、今時誰がこんなイタズラするの? あー、びっくりしちゃった。……ふふふ、DBSからの手紙…… ...

彼女がドーナツを守る理由 42

2026/3/21  

「じゃーん」 と輝くばかりの笑顔で言ったリリィは一冊の本を手にしていた。僕は仕事から帰ってきたところで、まだ靴も脱いでいなかった。とりあえず靴を脱ぎ、それからリリィの持っている本を手に取った。「叔父さ ...

彼女がドーナツを守る理由 41

2026/3/21  

───第三章─── 「レッド・スター?」 とリリィが言った。「え?」 見ると、彼女は厚い紙の束を手にしていた。「ああ」と僕は思い出して言った。「前に書いた小説だよ」 それを書いてクローゼットにしまい込 ...

彼女がドーナツを守る理由 40

2025/10/5  

その日もモカはシンと共に街を巡回していた。シンはいくらかリラックスしているようだった。というのも、このところめっきり『F』を見なくなり、一週間に一体見つけるか見つけないかという状態が続いていたのだ。モ ...

彼女がドーナツを守る理由 39

2025/7/14  

「ヨウくん、ゾウ」 リリィが指差す先には、小さな可愛らしい目をして、長い鼻を高々と持ち上げる象がいた。「本当だ。象だね」 太陽の光を受けて、リリィの爪に綺麗に並べられたラインストーンがキラ、と光った。 ...

彼女がドーナツを守る理由 38

2025/6/17  

 窓の外に花火が上がっている。人々は陽気さを取り戻し、不安をすっかり忘れたかのようだ。通りを歩く人の楽しそうなざわめきに、思わず頬が緩んだ。『陽気』というのも、悪くはないな、とこの時ばかりは思った。周 ...

彼女がドーナツを守る理由 37

2025/5/1  

 青白い恒星の光が街を照らしている。廃墟と化した街。動くものの気配はない。砂埃の積もった地面に奇妙な足跡のようなものが付いているのを見つけ、モカは背筋が寒くなるのを感じた。──まだ新しい……。 シンを ...

彼女がドーナツを守る理由 36

2025/4/11  

 テレビではどのチャンネルも太陽の話題で持ち切りだった。落下現場が繰り返し中継され、何の変哲もない民家が前から横から上空から、テレビ局のカメラによって眺め回され、世界中に発信された。立ち入り禁止の黄色 ...