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読書感想 バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則 柿内尚文

人間関係で起こるトラブルの大半は、『伝わらない/伝わっていなかった』ことが原因なのだそうです。

あんなつもりで言ったんじゃないのに。
イマイチ理解できなかった。
そのくらい、言わなくたって分かってほしい……。
どうしてそんな言い方をするの。

モヤモヤしてしまいますよね。
「伝わらなかった」ままにしておくと、不信感が生まれたり、溝ができたり、関係の断絶に至ったりすることもあります。

逆に言えば、「伝われば」人間関係が円滑になるということ。
この本では、「伝わる」ということがどういうことか、どうすればうまく「伝える」ことができるのか、理論的に、そして分かりやすく解説してあります。

第一章『人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断する』
では、237個の『受』の文字の中に1個混ざっている『愛』の文字を探してください、というイラスト付きのクイズから始まっています。
まずそこにあることに「気付いてもらう」ことがいかに大事かがよく分かります。

第二章『「伝わる」は7階建て構造』
では、話が相手に伝わっていく過程が七階建てビルに例えて解説されています。

第三章『(伝える技術じゃなくて)伝わる技術』
では、「比較の法則」や「フリオチの法則」「ファクトとメンタルの法則」など伝わるために使える色んな法則が紹介されています。
実用例を見れば、きっと「見たことある! ああ、なるほど」と思うはず。

第四章『「伝わる」人が実践している4つの行動』
では、具体的な考え方や行動の仕方が示されています。

第五章『「伝えるのが面倒な人」への対応策』
は、色んなタイプの話がスムーズに伝わらない人への対処法です。
何でも否定する人、論点のズレた細かいことばかり指摘してきて話が進まない人、いますよね。
そんな人たちもうまく話の軌道に乗せてしまいましょう。

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文章を書く時や、ビジネスの場面で使える『伝わる技術』をとても分かりやすく学ぶことができました。
『伝わる技術』は『技術』ですので、学べば習得することができます。
「知っている」と「知らないまま」では天と地ほどの違いがあります。
「知らない」から起こるトラブルも、「知って」いれば防ぐことができるかもしれません。
大切な人との関係や、社会的な立場、限りある大切な時間。
「知る」ことで守ることができるのなら、知ったほうが良いです。

学ぶべきことは、ごく基本的なことです。だからとても簡単だし、とても大切なのです。

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