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読書感想 マーダーハウス 五十嵐貴久

タイトルがいいですねー!
『殺人鬼の家』でしょうか。ストレートでとっても好きです!

帯の文章がこちら

敷金0・礼金0、命の保証もありません
豪華シェアハウスの止まらない殺戮!
震撼のイッキ読みサイコミステリー!

ワクワクしますね。
では、あらすじです。ネタバレの部分がありますので、まだお読みでない方はご注意ください!

〈あらすじ〉
大学に進学するため新潟から鎌倉へ来た藤崎理佐は、『サニーハウス鎌倉』という名のシェアハウスで暮らし始める。それはネットで見つけた物件で、交通の便は少々悪いものの、南仏風の洋館、十八畳で個別のバスルーム付きの個室(もちろん家具付き)、庭にはプール、ジャグジー、サンデッキ、地下一階にはシアタールーム。しかも自由に使える車二台付きで、家賃四万五千円という信じられないくらいの好条件。さすがに理佐は訝しがるが、オーナーが利益のためというよりは家の管理のために貸し出していると聞いて納得する。入居してみると、理佐の他に女性三人、男性四人いる入居者は美男美女ぞろい。まるで某テレビ番組のよう。彼らは親切で、理佐の新生活は好調にスタートした。
入居して一週間経った頃、サニーハウス鎌倉に刑事が訪ねてくる。以前ここに住んでいた人物が行方不明になっているというのだ。それで入居者に話を聞きに来たのだという。その人物は、入居者同士が連絡を取り合うために使っているホワイトボードに、『お世話になりました』と書き置いただけで特に挨拶もなく出て行ってしまったそう。ルーズな性格だったため、入居者は不審に思うこともなかった。また警察も彼の失踪を深刻にはとらえておらず、あっさりと帰って行った。
シェアハウスで暮らすうち、入居者のひとり、鈴木というスポーツマンの男性が自分に好意を寄せているらしいことに理佐は気付く。鈴木はさっぱりとした性格で、理佐も彼を好ましく思っていた。しかし鈴木は大学の部活の練習中に事故で死んでしまう。入居者は悲しみに暮れるが、やがて日常を取り戻す。しかし理佐は、ある違和感を感じ始めていた。鍵が掛けられるはずの自室に誰かが勝手に入っている気がしたのだ。それに、誰かに見られているような気配もあった。
不安を感じながらも、理佐は入居者たちと打ち解け楽しく過ごしていた。ある日、恋人関係にあった(が、数日前に破局しているように見えた)男女二人がホワイトボードにメッセージを残しただけで突然出て行ってしまった。
そんなある夜、理佐は自室が明らかに誰かによって探られていることを確信する。理佐は友人の高瀬弘にそのことを相談する。弘は高校時代、理佐とほのかに恋人のような関係だった男友達だ。弘は様子を見に長野から鎌倉まで来てくれることになったが、シェアハウスではまたひとり、理佐と同い年で特に仲良くしていた女性が死んでしまう……。

鎌倉の地での楽しい生活、テレビ番組の中のような美男美女の入居者たち、信じられないくらい豪華な屋敷。華やかで快適な生活の一方で、入居者たちがどんどんいなくなっていく。
死体や残酷描写は少なめで、物語の進み方はゆっくりな印象でした。
しかし終盤は一気に物語が加速し、目が離せない展開に!
日常生活の描写が多いぶん、登場人物に親しみがわき、次は誰が死んでしまうんだろうとハラハラしながら読みました。
九人いる主要人物(チョイ役も含めるともっと!)の描き分けが素晴らしかったです。それぞれに奇抜な個性や変わったしゃべり方、極端に変な性格などが与えられているわけではなく、みんな普通の人なのに(犯行が明るみに出て豹変した犯人は別ですが!)しっかりとキャラクターが確立されていて、自然と彼らの顔が浮かび、声のトーンまで分かるようでした。まるで『マーダーハウス』という家(=本)の中に本当に生きているよう。うーん、すごい!

私は読みながら結末の予想を二つ立てましたが、どっちも外れました!
さて、理佐ちゃんは一体どうなるんでしょうか?
最初から最後まで飽きずに読むことができました。おもしろかったです!

最後の一ページにはぞわっとしました(笑)

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