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読書感想 アリス殺し 小林泰三

『不思議の国のアリス』をモチーフにしたミステリーです。
物語中では『夢の世界』と『現実世界』の二つの世界が描かれているのですが、『夢の世界』のほうはルイス・キャロルのアリスの世界がそのまま舞台になっています。アリス好きの方はより楽しめるんじゃないかなと思います。
『夢の世界』では突飛な発言や行動が満載で、とても『不思議の国』っぽいです。

ただ、人が死にます。しかもいっぱい。
残酷・グロ描写多しです(これほんとに)。

あらすじ

栗栖川亜理は、頭のおかしな人物や動物が住んでいる世界の夢ばかり見ている。
ある日夢の中で、ハンプティダンプティが殺された。夢のことなので特に気にせず大学へ行くと、建物内が慌ただしい。研究員がひとり死んだらしかった。亡くなったのは王子玉男という男で、彼は玉子とあだ名されるほどの真ん丸な体形をしていた。
『夢の世界』での白兎の証言により、『アリス』は殺人の容疑を掛けられる。裁判官がもし女王だったら、きっとこう言うだろう。
「首をちょん切っておしまい!」と。
亜理は『現実世界』で、自分と同じ体験をしている仲間を見つける。その仲間によると、『夢の世界』の住人と『現実世界』の住人は、まるでアバターのようにリンクしているのだという。そして『夢の世界』の住人の死は、それに対応している『現実世界』の住人の死を意味する。つまり、『夢の世界』の『アリス』が死ぬということは……。
亜理は絶対絶命の状況から脱することができるのでしょうか。

『夢の世界』と『現実世界』でリンクして次々と起こる殺人事件。
亜理は仲間と協力して犯人にたどり着きますが、その後更にビックリな真相が明らかになるのでした。

この結末を予想できる人は多分いないんじゃないかなーと思います!

──何が起こっても不思議じゃないわね、ここはレッドキングの夢の中だから──

さあ、「夢を見ているのは誰?」

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